ソースケのアメリカ駐在術・生活術

アメリカ駐在(2018年夏~2020年夏)、陸マイラー、投資家、ダイエッター

一斉採用、一斉入社の廃止の流れ×新卒採用×中途採用×働き方改革

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日立、新卒者の「通年入社」認める 留学など自己研さん促す(時事通信) - Yahoo!ニュース

 

 上記は、2020年3月31日のニュース記事になりますので、リンク切れの可能性があります。

 記事の内容としては、日立製作所が、

「内定者に対して、卒業後1年間の好きなタイミングで入社してよい」という制度を認めるというものです。

 いよいよ、そういう時代が来たか、という感じがします。

 この決定自体は意義があるものだと思いますし、どちらかというと賛成です。

 しかし、色々と課題があるようにも感じてしまいます。

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1.就職活動の長期化対策の観点

 ・この案は、そもそも日本の就職活動の課題である、「就職活動の長期化」に対する課題解決にはなっていないと思われます。

 まあ、そもそもそこが狙いなのでは無いかもしれませんが。

 ・昨今、就職活動開始の時期を4年生の序盤からなるべく後半にずらすという動きもありますが、これはあくまでも努力目標の域を出ておらず、それより前に内定を出す企業は数多くあります。

 ・一方、本当に「後半にずらす」という事が有効かという事には個人的には懐疑的です。例えば、理系の学生の場合、3年生の後半ぐらいには内定をもらって、4年生になったら研究に集中し、4年生の後半は研究論文のまとめや、研究学会での発表の経験を積んだ方がよいケースもあります。そんな中、就活のスケジュールと重なってしまっては、研究に集中もできません。

 (しかし、早期から就活をしていても、内定が出なければ、結局は長期化するのですが・・・)

 ・また、「早期から就職活動ができる」ということには、「就職活動に慣れる」というメリットもあります。

 学生にとっても、就職活動は生涯を左右しかねない大事なもの(転職という道は勿論ありますが)。言い方は悪いですが、「本命の企業」、「滑り止めの企業」等を決めるのはしょうがないことなのです。

 学生側としては、「滑り止めの企業」の面接等で場慣れして、かつ「内定」といういざという時のための保険をもって「本命の企業」に挑みたいというのが心情なのではないかと思います(私自身もそうでした)。

 よほど意識が高く、学生生活の内から世の中の動きに敏感である学生を除き、多くの大学生にとっては、就職活動は初めて社会に触れ、社会を知る機会です。

 いきなり一発目の本命の会社で、「志望動機」、「自分の将来のキャリア設計」等をスラスラと語れる人の方が稀ですから。

 

2.通年採用の流れについて

 ・このニュースでは、採用自体は一斉に行うとのことですが、昨今では、採用自体を通年にする流れもあります。

 これも意義のあることかと思いますが、採用側の負担が増え、かつ採用の際の人を見る目が今まで以上に重要になってきます。

 ・なぜなら、一斉採用だと、早い話が応募してきた学生達に様々な方法で点数を付けて、上から順に採用予定の人数分の内定を出せばよいのです。

 一方、通年採用だと、「他の学生との比較」が難しく、各企業毎に絶対的な指標を持つ必要があります。これは実際はかなり難しいと思います。

 転職・キャリア採用の場合ですと、その人自身のキャリアを評価するという点ではある意味で指標もありますが、新卒学生を通年採用にした場合にはかなり難しい判断が迫られると思います。

 

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3.通年入社について

 ・今回の通年入社については、「入社までに海外留学や長期のボランティアなどを通じた自己研鑽を促すのが狙い」とあります。

 ・しかし、通年入社となると、以下の問題があります。

 ①新入社員研修をどうするのか

 各企業、新入社員の研修というものがありますが、それをどうするのか、という問題です。

 一斉入社の企業側のメリットは、「一斉に研修を受講させることができる」という点にあります。

 これを各自がばらばらに入社するとなると、どのように対応していくのでしょうか。

 

 ②同期との繋がりをどう築くのか

 やや古い考えかもしれませんが、縁あって同じ会社に同じ年に入社したという同期は、研修やその他のイベント事で仲良くなり、中には一生の友人関係になる場合もあります。

 通年入社ですと、「同期」という概念がやや弱くなるような気がします。

 まあ、必須なわけではありませんが、折角働く職場ですので、友人がいた方がよいようには思うのですが。

 

 対策としては、例えば、「入社2年目に、新入社員相当の研修を受講させる」という手もあります。

 それですと、研修も一斉に受けさせられるし、同期の繋がりもできます。

 しかし、そうなると、入社してから新入社員研修を受けるまでの教育を各職場に任せるという事になり、これはまた各職場での負担が増えることになります。

 

4.海外留学や長期のボランティアとは

 ・そもそも、今回の制度の趣旨である、「海外留学や長期のボランティア」についてですが、本当に入社を先延ばしにしてまで実施すべき事なのでしょうか。

 海外留学を経験させたいのであれば、入社2~5年後の仕事のイロハが分かり始めた来た頃に会社の費用で海外研修をさせた方が、語学面と業務面の両方での成長が期待できます。

 海外経験のある人材を求めるのであれば、そこのところの費用は会社が負担すべきだと思います。ひょいひょいと海外旅行や海外留学ができるほど裕福な学生ばかりではありません(私も費用の面で海外留学は諦めた経験があります)。

 また、「長期のボランティア」がどのようなものを想定しているかはやや不明な点がありますが、それこそ企業のCSR(Corporate Social Responsibility)の一環として新入社員研修の一環として取り入れるという手もあります。

 

5.まとめ

 ・今回、たまたま日立製作所のニュースを目にしたため、このような投稿をしましたが、決して日立製作所自体を批判しているわけではありません。

 ・昨今、問題視されている就職活動や採用の流れに一石を投じるという意味では非常に意義のある制度であるかとは思います。

 ・しかし、就職活動や採用というのは学生にとっても企業にとっても非常に重要であることは言わずもがななところであります。

 ・学生側も、企業側も、そして経団連も、日本の将来を担う人材をどう育て、どのような人材を、どのようなタイミングで採用していくのがベストであるかを常に考え、一つの答えに固執することなく改善していって欲しいと思います。

 

 今回はこの辺で。

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米国駐在における、日米比較等は以下をご覧下さい!

sousuke22101243.hatenablog.com

米国駐在における陸マイラー、航空会社上級会員編は下記をご参照を!

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