ソースケのアメリカ駐在術・生活術

アメリカ駐在(2018年夏~2020年夏)、陸マイラー、投資家、ダイエッター

大企業志向は終わったのか?×終身雇用は終わったのか?

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 別の投稿で学歴社会について記載しました。

sousuke22101243.hatenablog.com

 今回は、「学歴社会」からの「大企業志向」について記載します。

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1.大企業志向否定論

 大企業志向否定論とは、「大企業に入れば安定」という考えと、「学生が大企業を志望する傾向が変わった」という両面があると思います。

 

 まずは以下の記事を紹介します。

変わらぬ就活の危うさ 「寄らば大樹」大企業志向は崩れるか(2018年6月10日)|BIGLOBEニュース

【学歴社会は崩壊した?】令和の時代を生き抜くには個人で稼ぐ力が必要

 

 まとめると下記の通りになります。

 

(1)学生の志向の変化

 ・大企業志向が強まってはいるものの、スタートアップ企業を渡り歩きながら、将来の独立を目指すものが少しずつ増えている。

 ・大企業を目指す学生は未だに多いが、理由としては、平均すれば大企業に就職する方が「トク」だからであるが、その理由は、「雇用の安定性」、「生涯収入」、「福利厚生」、「ネームバリュー」であり、肝心の仕事に関する要素が含まれていない。

 ・大企業は「ゼネラリスト」を育成する精神なので、高い専門性が身に付かない。

 

(2)大企業が安定している時代の終焉

 ・大企業の中にも経営不振で破綻寸前まで追い込まれる企業が目立つようになってきている。

 ・早期退職者を募るなど、大企業も人員整理を実施する時代であり、安定しているとは言えない。

 

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2.大企業志向の現実

 私自身は中小企業もいわゆる大企業も両方を経験しておりますので、上記の記事には同意できる部分もそうでない部分もあります。以下、私の意見をまとめます。

 

(1)学生の志向の変化についての持論

 確かに、上記にもあるように、スタートアップ企業を渡り歩き、最終的には起業するという学生も増えているようです。その事自体は素晴らしいことだと思います。

 しかし、徒に「会社勤めは馬鹿らしい」「就職するぐらいなら起業せよ」という主張であるならば必ずしも賛同はできません。

 

①大企業はゼネラリストを育成する方針か?

  ・私がまず一番疑問に思うのはこの、大企業が「ゼネラリスト」、つまり、「何でも一通りこなせる人」を育成する方針であるという点です。

  ・確かに、数年単位でのローテーションがあるのは事実ですが、ローテーションは会社側にとっても再度のOJTを繰り返す等の時間的、人員的なコストがあります。したがって、「ローテーションありき」の異動ではなく、「事業計画ありき」の異動が多くなっているように感じます。すなわち、特定の事業分野に力を注ぐ方針を打ち出した際に、他の事業分野からの人員を異動させる、という場合等です。

  ・また、個人的には大企業ほど分業制になっておりますので、特定の業務に特化しがちで、スペシャリスト」が育ちやすいようにも思います。しかし、あまりにも視野の狭いスペシャリストになってしまうことを防ぐために、一定期間、同様の業務に従事したら、別の業務を担当させる、という事はあり得ると思います。

  ・この点、ベンチャー企業の方が、人員が限られているため、ほぼ全員が経営者の意識で、事業計画、開発、予算の確保、営業等も場合によってはやらなければならないケースもあるのではないでしょうか。

 

②スタートアップ企業から独立への道

 ・スタートアップ企業、すなわち中小企業⇒独立⇒成功という道を辿ることができればよいですが、当然、全員が全員成功するわけではありません。

 ・起業のマイナス面を強調するつもりはありませんが、私の学生時代の友人の中でも、何人かで起業したものの、うまく行かず、友人関係にヒビが入り、結果会社が倒産した例もありました。彼らは、同期から遅れること4~5年経過後、結局生活のために中小企業等へ就職しました。元が優秀だったことと、起業の経験がプラスに働いて就職できたのかもしれませんが、これでやり直すために就職しようとしても就職すらできなかったら目も当てられません。

 ・そもそも、「スタートアップ企業」というのは、ざっくり言うと、「世の中に新しいシステムやサービスの提供を目指すベンチャー企業のようなもので、かなりの数があるのです。この中から、「将来的に成功する会社」をピンポイントで選ぶ事ができる学生がどのぐらいいるのでしょうか。そんな見極めができるなら、投資家としてもやっていけます。投資家の端くれとしての見解では、「成功するスタートアップ企業の見極め」ほど難しいものはありません。

 

(2)大企業が安定している時代の終焉

  ・記事の中でも、「安定性」、「生涯収入」、「福利厚生」等を軽視している論調ではありませんでしたが、中小企業と大企業とではこの辺りの違いはやはり如何ともし難いほど大きいです。

  ・特に、昨今のコロナウイルスの影響(2020年4月末現在)には顕著で、中小企業、自営業への影響は甚大です。一方、大企業も確かにダメージは大きいですが、基本的に大企業の中には経営状態が盤石な企業というのは少なくなく、そういった企業は体力があります。今回の影響が数年単位に及びとさすがに厳しいですが、数カ月レベルで倒産するような事はないでしょう。

  ・また、「生涯収入」も馬鹿にはできません。例えば結婚し、子供を2人以上持つという家庭を築くと想定した場合(この形が理想だとも、この形であるべきという意味ではありませんが)、生涯必要な金額というのは計算できます。この金額と同額、もしくは同額以上がおおよそ入ってくるであろうと予測できるのか、予測できないのとでは人生設計のプランが異なってきます。さらに言うと、「大企業」と一括りにしたとしても、「生涯収入」には実際には大きな開きがあるのが現実です。総合商社やメディア等では生涯収入が5億を超える一方、誰もが聞いたことのあるような企業の生涯収入が2億等の場合があるというのが実情です。以下、参考ページ。

生涯給料!「全国トップ500社」最新ランキング | 賃金・生涯給料ランキング | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

  ・更に、「福利厚生」についても、「大企業は充実」とは言え、生涯収入以外のところで大きな差が現れたりします。例えば、独身寮を例にとってみても、そもそもの独身寮の有無、寮費の金額、入寮可能期間等は、大企業とは言え給料が低めの若手の世代にとっては大きな違いがあります。

  ・また、Work Life Balanceの充実化が重要視されるようになってきた昨今では、有給休暇の取りやすさの違いというのも大きいです。労働組合がしっかりしているところでは、「有給休暇のカットゼロ」を強く推進していたりします。

  ・加えて、大企業とは言え、「人員整理(リストラ)はある」という論調についてですが、実際は事はそう単純ではありません。上記の有給休暇とも関連しますが、大企業というのは労働組合が強く、そう簡単に人員整理やリストラなどはさせないのです。また、安易な人員整理は労働基準法等にも違反します。

 まずは経営者側に役員報酬のカット等という形で経営不振の責任を取らせ、各種経費削減の対策と採り、それでも不十分であるなら、「早期希望退職者」をまずは募ります。これは、文字通り、「希望退職」ですので、「解雇」とは異なります。多くの場合は、この「希望退職者」を募るだけで人員削減としては十分となる場合が多いようです。優秀な人達程、自分達が所属している会社が傾いていると分かればこれを機にさっさと転職した方がよいと考えるのかもしれません。

 

3.これからの生き抜き方

・上記のように書きましたが、私自身も「大企業であれば安全」という気持ちがあるわけではありませんし、もし就職活動や転職活動を検討している方がこの記事を読んでいるとすれば、そのような安易な気持ちではいて欲しくないと思います。

新興国の企業の台頭により、日本の大企業の国際社会での立ち位置は常に脅かされ続けているのも事実です。

・しかし、だからと言って、大企業に勤めることもできるのに、敢えてスタートアップ企業⇒独立という道を辿るというのは相当の勝算覚悟が無い限りは止めておいた方がよいでしょう。後々にスタートアップ企業に転職するにしても、いわゆる大企業は顧客になり得るので、大企業の仕組みや考え方に触れておくのは決してマイナスにはならないはずです。

・また、私自身はWork Life Balanceという言葉はさほど好きではありませんが、昨今は重要視されるようになってきております。これを重要視する場合には、収入が安定しており、かつ福利厚生制度も充実している大企業の方が圧倒的に良いと言えるでしょう。

・とはいえ、大企業に入ったことで安心をして、組織にぶら下がるだけの使えない人材になってしまったら、大企業とは言え、人員整理の対象となってしまう可能性もあります。やはり、勝負は入社後であることは間違いありません。社内、社外の様々な場面で経験を積んだり、スキルを身に付けたりして自己研鑽をする。または、投資や副業(就業規定に違反しないのであれば)により、複数の収入元を確保して、会社からの給与所得が無くなったとしてもさほど困らないようにしておく等の準備が今後は大切になってくるのではないでしょうか。

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米国駐在における、日米比較等は以下をご覧下さい!

sousuke22101243.hatenablog.com

米国駐在における陸マイラー、航空会社上級会員編は下記をご参照を!

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投資編のその他の投稿はこちら!

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