ソースケのアメリカ駐在術・生活術

アメリカ駐在(2018年夏~2020年夏)、陸マイラー、投資家、ダイエッター

アメリカ×食文化×捕鯨ディベート

 

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 国が変われば食文化というのはこうも違うものだと、日々思うものです。

 今日は、やや欧米人にはタブーとも言える、捕鯨についての私の意見、実際に欧米人とディベートした結果について投稿したいと思います。

 

 結論から言いますと、反捕鯨の意見に凝り固まった人間を説得するのは難しいものの、私の意見は概ね理解してもらったと思います。

 

 日本人の中にも、もはや捕鯨についてさほど興味も無いという方も多くいらっしゃるのではないかと思います。

 そのように無関心になってしまうのも無理からぬことではあります。

 しかし、日本人としては、捕鯨、反捕鯨についてはしっかり意見を持っておいて欲しいものだと思います。

 

 そうでなければ、

 「日本人は未だに捕鯨なんて続けてるじゃないか!野蛮だとは思わないか?」

というテンプレートのような意見をぶつけられた時に返す言葉が無くなってしまいます。

 いや、返す言葉が無いならまだよいですが、

 「私もそう思うよ。全く野蛮だよね。」

 なんて答えを返されたら私からしたらたまったもんではありません。

 勿論、全ての歴史的背景を把握した上で、「私もそう思う」という感想を持つのは自由ではありますが。

  それでは、捕鯨の歴史等から順に振り返って検討していきましょう。

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1.捕鯨の歴史

 (1)イギリスやアメリカは捕鯨をしていた

 反捕鯨で声を高らかに上げていたイギリスやアメリカ。

 これらの国がかつては捕鯨を行っていた事はご存じでしょうか?

 しかも、産業革命等で必要となった油を確保するために、脂分が多いクジラを乱獲し、そして肉や骨は殆ど使わず、海に廃棄するという方法でした。

 なんと、1853年のペリーの来航(いわゆる黒船来航)も、捕鯨船の補給地が欲しいというのも目的の一つだったのです。

 

 (2)日本の捕鯨

 一方、日本の捕鯨は、肉や皮は食料として、骨や髭等も建築材料や伝統芸能のために使用する、ほとんど無駄の無い貴重な”資源”として大切に利用されてきました。

 地域によっては、捕獲し、最大限に活用させてもらった鯨に戒名を付けて丁重に葬ったという事もあるそうです。

 

2.鯨の数は減っている?

 これは、反捕鯨運動家のプロパガンダの一つでもありますが、

 一口に鯨と言っても80種類あり、絶滅危惧種に指定されているものや、絶滅とはほど遠いほどの数が生息している種類もあります。

 捕鯨国が捕鯨をしているのは、絶滅危惧種ではありません。

 「絶滅の危険にある鯨を捕獲するなんて!」という意見は、全く事実を無視した的外れな意見と断言できます。

 また、サンマやイワシ等を大量に食する鯨を適度に捕獲する事で、他の海洋資源の保護にも繋がるとの意見もあることを無視してはならないでしょう。

 

3.鯨の殺し方が残酷?

 鯨の殺し方が残酷だから、捕鯨はやめよというのも反捕鯨運動家のプロパガンダの一つです。

 しかし、以下のページを参照するに、現在の鯨の捕殺時間は、1分~2分半とのことです。http://luna.pos.to/whale/jpn_humane.html

 これが短いだとか長いとか言う議論もあるかもしれません。確かに、あの巨大な鯨をなるべく短い時間で苦しませずに、というのは困難なのかもしれません。 

 しかし、一方で牛や豚や鶏等に代表される家畜がどのように殺されているのかを考えた事がある方はいらっしゃるでしょうか?

 もし興味があれば、「家畜 屠殺」で調べてみて下さい。

 決して、「鯨の殺し方と比べて人道的だからOK」等とは軽々しく言えないはずです。

 

4.鯨やイルカは可愛い・頭が良いから殺すな?

 これこそ、まさに狂気の沙汰とも言える危険な考えではないでしょうか。

 裏を返せば、「可愛く無ければ殺してよい」、「知能が低ければ殺してよい」と言っているに等しいです。

 人間におきかえてみたらどうでしょうか?

 

 また、例えば、テレビ番組等でどうしても鯨やイルカは「神秘的な存在」であったり、「人間のパートナー」としての取り上げられ方が多いです。

 一方、例えば同じ海に生息する生き物であっても、「マグロ」となると、

「一攫千金を狙うマグロ漁師の奮闘」のような番組となり、視聴者はどうしても、「頑張ってマグロを獲って!」というような気持ちで観てしまうのではないでしょうか。

 ここで、鯨やイルカに対する命(=守るべき存在)と、マグロの命(=捕獲すべき存在)との間で明確な差別がついている事にお気づきでしょうか。

 鯨もイルカもマグロも同じ生命であり、殺してよい、殺してはダメなどと、同じ生命であるはずの人間が順位を付けて判断をしてよいはずがありません。

 勿論、人間の暮らしに害をなす生命(害虫、害獣)との戦いは、生物同士の生存競争の範囲であるので、例外として考えるべきですが、本来「殺してよい生命」などは無いのです。

 

5.「食事」を「頂く」ということ

 別の投稿でも「頂きます」、「ご馳走様」という精神について記載しました。

sousuke22101243.hatenablog.com

 人間を始め、多くの生物は、自分の命の維持のために他の生物の命を「頂いて」いるのです。

 その気持ちを忘れてはならないと思います。

 植物も立派な生命です。

 「動物を殺したくないから菜食主義者になる」という人もいます。

 その考えを否定するつもりはありませんが、植物は殺される時に抵抗したりしないだけで、その生命を頂いている事に変わりは無いという自覚は必要かと思います。

 動物、植物に限らず、自分が今日生きていくために食材としてしまい、今から頂くという事に感謝し、「頂きます」。

 そして、頂いた後には「ご馳走様」。

 この精神は非常に大事だと思います。

 この精神は日本人特有のものなので、外国人に理解してもらうのは難しいかもしれません。だからこそ、「可愛いから殺すな(可愛くなければ殺してよい)」、「知能が高いから殺すな(知能が低いから殺してよい)」等と厚顔無恥で身勝手な事が言えるのでしょう。

6.鯨肉は美味しくない?

 鯨肉は臭みが強く、美味しくないという意見も聞きます。

 しかし、これは冷凍技術が今より未発達な時代に、牛肉や豚肉の代替品として鯨が食卓に並んでいた時代の名残のようです。

 現在の鯨肉は質が高く、「最高級の肉」とまで言えるほどのレベルにあるようです。

 私も何回か、本当に美味しい鯨肉を頂いたことがあります。

 また、こちらのページをご覧ください。

http://r.gnavi.co.jp/g-interview/entry/okura/4447

 鯨肉の扱いと調理方法を知り尽くして極めれば、本当に美味しい料理になる事がわかります。

 

7.日本の食卓からは鯨は必要ない?

 残念ながら、これは事実かもしれません。

 いや、「事実にされてしまった」という言い方が正しいと思います。

 日本の食生活はすっかり欧米化されてしまい、毎日のように牛肉が食卓に並ぶ事は珍しくはないのではないでしょうか?(現在ほどではないにせよ、豚肉や鶏肉は日本人も比較的昔から食していたという記録があるようです)。

 牛肉は国産ならまだしも、安い輸入の牛肉がスーパーに並んでおります。

 安い輸入の牛肉に対抗するために、国産の牛肉も値を下げざるを得ないようです。

 さて、日本の捕鯨に反対しているアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド等の共通点とは何でしょうか?

 そう、「日本に大量に牛肉を輸出している国」なのですね。

 参考↓

https://10mtv.jp/pc/column/article.php?column_article_id=667

 

 科学的に何の根拠もない反捕鯨運動の影響で日本の商業捕鯨が禁止に追い込まれる一方、それに乗じて(もしくは最初からそれが狙いで)、大量の安い牛肉を日本に輸出して、日本の食卓から鯨を不要とさせ、日本の食文化から鯨を奪った。

 そして、その事実すら、当の日本人は知らず、

「鯨なんてもう食べる必要ないし、殺すのは可愛そうだよ。」などという。

 全くもって、日本人というのは平和でお人好しな国民ですよね。

 

8.日本人が陥りやすい注意点

 上記は私が色々と調べた上で述べている意見です。同意して頂けるならば幸いですし、同意して頂けなかったからといってどうこうは思いません。

 ただ、同意して頂ける場合は、一つ注意して欲しい点があります。

 それは、

 「そもそも、他国の食文化についてどうこういう事自体がおこがましい」

 という認識は万国共通であるべきだということです。

 他国を尊重するというのは国際社会における基本です。食文化を含めた文化も当然尊重すべきなのです。鯨食文化というものも当然、尊重されるべきでしたが、非科学的、差別的、かつ政治的な陰謀にも巻き込まれた末、瀕死状態に陥ってしまいました。

 我々日本人は、そんな事をしてはならないと思います。

 

 例えば、東南アジアや中国、朝鮮半島で今もあると言われている犬食。

 私も最初に聞いたときは正直言って驚きましたが、犬食も食文化です。

 日本人の現在の感覚で、「犬はペットであり、家族だから殺して食べるなんて野蛮」などという考えは、鯨食を否定する偏狭な考えを持った欧米人と何ら変わりません。

 勿論、非人道的な殺し方、疫病の原因となるような家畜の飼育に関しては、犬であろうがなんであろうが国際社会から批判されて然るべきではありますが。

 

 今回は少し真面目な話をしてみました。

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米国駐在における、日米比較等は以下をご覧下さい!

sousuke22101243.hatenablog.com

米国駐在における陸マイラー、航空会社上級会員編は下記をご参照を!

 

sousuke22101243.hatenablog.com

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